やどりき水源林ニュース 第18号

2004年11月

やどりき水源林の集い 「土壌生物観察の紹介」

  秋も深まる10月下旬の土曜日、恒例の「やどりき水源林のつどい」が実施されました。
水源林トレッキングや森林交流会を通じて、県民の皆さんに森林の働きの重要性や水源の森林づくりの内容を理解していただくために毎年当地で実施している行事で、本年度の参加者は一般参加者・招待者118名、事務局・インストラクター等含め総計203名でした。

  会場の水源林広場周辺の木々も色付き、ススキの穂も風になびいていました。(左図)
森林交流会では、丸太切り、クラフト、ゲ−ム、水中・土壌生物観察などの体験を行いましたが、クラフトコーナーでは子供たちの輪が出来ていました。(下図)

水生・土壌生物観察コーナーでは、実際に水中や土の中の小さな生物を採取し観察を行いました。
かながわ森林インストラクターの会では、やどりき水源林で、水生・土壌生物の調査活動を継続的に行っております。

土壌生物観察の紹介

先ず、50cm四方の紐で調査範囲を区画します。そして5〜10cm掘り起こし土を採取していきます。

それをシートの上に広げて地中の生き物を採取しました。子供たちのほうが見つけるのが上手です。

採取した主な土壌生物
拡大するとちょっとグロテスクですが、これらの生物が豊かな土壌を造っています。
採取した生物を顕微鏡で観察して種類を調べます。土壌の豊かさに応じて、各生物はA、B、Cのグループ分けがされており、それぞれ5点、3点、1点の点数が付けられております。採取した生物の種類で点数を合計し、その土地の自然の豊かさを測定することができます。自然豊かな森で約80点、市街地で約40点ほどです。


【ミミズ:B】 約30mm
有機物を分解、処理して肥沃な土に改善してくれます

【クモの仲間(オトヒメグモ?):C】 約2mm
巣を作らず、地面を徘徊するクモの仲間です


【ゾウムシの仲間?:B】 約2mm
これも地面を歩き回る虫の仲間です。

【ヨコエビ:A】 約4mm
元は青黒い色をしています。死ぬと赤く変色します。


【イシムカデ:B】 約5mm
15mm〜25mmが普通です。これは小さい個体でした。

【トビムシ:C】 約3mm
ピョンピョン飛び跳ねるので見つけやすい虫です。