2003年6月 |
『ムササビのムサちゃん』をご紹介します。 やどりき水源林は丹沢山塊の鍋割山(1272m)を中心とする標高1000m内外の尾根に囲まれる529fという広大な面積の森林で、神奈川県がパートナーやボランティアなどの協力も得ながら水源林として整備を進めています。私たちかながわ森林インストラクターの会は県の委託を受け、やどりき水源林森の案内人として毎日曜とそのほかの日にもしばしばこの森に入り、来訪者の案内や水源林情報の収集および発信などの活動を行っています。水源林内には周遊歩道が整備されており、探しながらそこを歩いていると、高い木の中ほどに直径10cmくらいの丸い穴がひとつか二つ開いているのが見つけられますが、それがムササビの巣穴です。運がよければこんな可愛い姿と対面でき、滑空まで見せてもらえます。 |
ブナは森の木々によって水を貯える緑のダムの象徴とされていますが、丹沢では近頃主稜線でそのブナの立ち枯れが多く見られ問題となっています。やどりき水源林の周囲の尾根にあるブナはどうなのでしょうか。水源林を豊かな緑のダムにしたいと考える私たちにとっては気になるところです。これまで周辺の尾根を何回か歩いて回った印象では、この地域ではブナの立ち枯れは少なく、若木も育っていて割合元気といえる感じでした。そこで今年度はその印象をデータで裏付けるために、私たちはブナのカウント調査を行うことにし、先日その第1回目を実施しました。 ブナは標高800m位より高くなってから現れ、谷筋には少なく多くは尾根に生えており、今回調査した鍋割峠から雨山峠の間の尾根では、径30p以上の木が85本、径30p以下の若木が218本、幼木が33本、枯木が16本という結果で、少なくともこの区間ではブナは元気だといえそうで、径1mほどの大木やこんな堂々としたブナも何本かありました。 |
定時観察会のお知らせ 毎日曜日午後1時から1〜2時間かけて、私たちが水源林をご案内する観察会を行っています。四季折々変化する森のさまざまな姿と森のいろいろな仕組みを、私たちと一緒に味わっていただきたいと思います。参加ご希望の方は定刻にゲート前にお集まりください。 |