やどりき水源林ニュース 第32号
2006年1月
やどりき水源林の冬景色
鍋割山の南側に位置するここやどりき水源林は、例年比較的雪は少ないのですが、今年は厳冬の影響で雪も多いようです。
1月8日に訪れた時も、朝9時の外気温は−2℃、数日前降った雪が残り、動物の足跡をいくつも見ることが出来ました。動物たちも普段はめったに見ることが出来ませんが、足跡を見れば活発に動き回っていることが分かります。
そして、この時期の見所は、樹種ごとに形状が違う冬芽です。林内を歩いて回ると、色々な種類の冬芽を観察することが出来ます。
やどりき沢沿いの林道も、日陰は雪で覆われています。雪面を見ると動物の足跡が転々と続いています。
流木に垂れ下がったツララ
Aコース途中の滝も雪景色の中
林道の雪の上に、色々な種類の動物の足跡が付いています。
ヤマドリと思われる鳥の足跡。(物差しは15cm)
ムササビのものと思われるヒノキ球果の食痕。(下の3個)
やどりき水源林で見られる冬芽の数々
【フサザクラ】
暗紫色でつやのある冬芽。この写真の枝には房状の果実が残っていた。
【イロハモミジ】
小さい円錐形の冬芽をいっぱい付けている。よく見ると先端に2個並ぶ。
【ダンコウバイ】
先端の葉芽は長卵形で先が尖る。花芽はほぼ球形で無柄に近い。
【オオバヤシャブシ】
枝先の葉芽は紡錘形で先が尖る。越年した果穂が見えている。
【カツラ】
枝先には牛の角のような形の頂芽が2個並ぶ。側芽は対生する。
【ミツマタ】
3本に分かれた枝先に、多くのツボミが集まった花芽を付ける。
【ヤブムラサキ】
裸芽で幼い葉が向かい合いう。枝やガクなどに星状毛が密生する。
【アオダモ】
薄い紫色を帯びた卵形で先が尖る。小ぶりだが良く目立つ。
【リョウブ】
最初は芽鱗に包まれているが、先端から開き、はがれて裸芽で冬を越す。
【ジャケツイバラ】
側芽は縦に複数並び、一番上の大きな芽が成長する。他の芽は予備。
【キブシ】
穂状にのびた花芽。春先に淡黄色の花が、カンザシのように垂れ下がる。
【クロモジ】
真ん中の細長いのが葉芽、両側の丸いのが花芽。どことなくユーモラス。